治験

今、治験入院をしている。

何をしているのかというと何もしていない。

ベッドの上でゴロゴロしているだけだ。

一日の大半をパソコンを見て過ごしている。

食事の時間では食堂に行って、食べ終わったらまたベッドに戻ってゴロゴロしている。

優雅で刹那的な毎日を送っている。

 

 

 

退屈していると周囲をついつい観察してしまう。

看護師の態度を観察したり、隣のベッドの治験者を見ていたり、給食のおじさんの親切さに感動したりなどなど。

ミシュランの覆面調査員みたいな気分である。

施設によって色々違ってくる。

病院にはデイルームといって治験者の娯楽室みたいな場所が設置されている。

デイルームの本棚のマンガの数やゲームのソフトの種類なんかにも目が行ってしまう。

この病院にはPS4まで置いてある。

 

 

 

 

こんな状況の中で毎日ゴロゴロしていると良心が痛んでくる。

しかしそれも最初のうちだけだった。

今ではこの一日をどうやって楽しく過ごそうかと集中して生きている感じだ。

外では会社員が仕事でキツイ通勤や辛い日程を送っている。

申し訳ないとは思う。

 

 

 

 

 

だから自分も毎日文章を書いて何かに熱中しているんだと思いたい。

もしかしたら同部屋の人たちも同じ気持ちなのかもしれない。