デモ
一年くらい前にデモに参加したことがある。
集合場所は日比谷公園である。
行った理由は特にない。
暇だったからだと思う。
特定秘密保護法についての反対のデモだった。
デモの前に会場で演説がある。
目的地に着いたが会場は満席となっていて野外設置のテレビから見ていた。
津田大介が話をしていたのを思い出す。
けれども話の内容は複雑で頭に入ってこなかった。
そのあとにデモ行進を行った。
デモの列ができ始める。
参加者は自分よりも年上の人たちがほとんどである。
旗を振っている人、プラカードを掲げている人、被り物をしている人など。
そして列は繁華街に繰り出し飯田橋方面を歩いていた。
初めてのデモ行進で少し照れていたのを覚えている。
周囲は警察によって道路規制されていた。
さらにその周囲を右翼の人たちが集まっていた。
遠目で見ても彼らが非難の声を上げているのがわかる。
意思表明をしたことによって敵と味方に分かれたということである。
どちらが正しいのかはわからない。
なんで自分がデモに参加しているのかもわからない。
とりあえず参加することで何かがわかるかもしれないと思ったのだ。
そして自分の立場を表すということは反対の立場の人たちを敵に回すということを初めて実感したのである。
参加するということは意思を表明することであり、意思を表明することはその瞬間に自分の方向性を目に見える形で周囲に伝えるということだ。
デモ行進は目的地に着いて解散となった。
デモ行進はその一回限りで終わった。
続かないのは飽きっぽいからだ。
そして今になってデモのことについて考えているのである。